December 27 2022

黒と白

今年の美術の見納めは三菱一号館美術館でヴァロットンの「黒と白」。

政治や社会、そして人と人の関係において何事も黒か白かではっきり判断することが理想化されていますが、人間、とかく日本人はそこにグレーというあわいを作ることで、良くも悪くも人と人の関係を形成する習性があり、そんなもどかしさも含めてそれが人間というものなのかなと思っている中、黒と白だけで政治や社会を風刺するヴァロットンの作品はなかなか痛快なものでした。

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December 21 2022

富士の頂角

今年最後の上京。
通る度にいつも違う表情を見せてくれる富士。天候のせいに心のせいも混じると、いくつもの富士があるように思われる。

ちなみに富士の頂角は意外に鈍い。
『富士の頂角、広重の富士は85度、文晁の富士も84度くらい、北斎に至っては30度くらいでもはやエッフェル塔のような富士になっている。しかし実際の富士は鈍角も鈍角、のろくさと拡がり東西124度で秀抜のすらと高い山ではない。(一部略)』太宰治「富嶽百景」より。

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December 15 2022

精進料理と足利尊氏

天龍寺直営の篩月さんで精進料理をいただきました。疲れていた胃腸と合わせて心も少しだけ洗われたような気がしました。

ところで京都五山の第一位に位する天龍寺は足利尊氏が後醍醐天皇の菩提を弔うために建立した寺院です。ご存じのように尊氏にとって後醍醐天皇は南北朝の内乱で敵同士でした。にも関わらず、崩御の後、夢窓疎石の勧めもありましたが、しっかりと敵の菩提を弔ったことは尊氏らしいと思いますし、誠に立派なことだと思います。
もちろん元々はともに鎌倉幕府を倒幕し、その討幕の功で後醍醐天皇から「尊氏」の名まで賜っている、いわば戦友だったのですから必然だったのかもしれませんが。
たとえ憎み合い、いがみ合ったとしても最後は相手の御霊を弔う慈悲の心の持ち主だったからこそ、その後二百数十年続く室町幕府を開くことができたのでしょう。奢れるもの久しからず。先人はしっかり証明してくれてます。

そうしたこころと精進料理のこころはあながち相違ない。そんなことも考えながら美味しくいただきました。

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December 14 2022

唯一無二とシャガール

京都嵐山は渡月橋を臨むホテルへ。
ロケーションをはじめ、空間、素材、食器、アメニティ、ノベルティ、そしてサービス、どれをとっても一つひとつの丁寧さとこだわりが感じられるとても良質なホテルです。
そしてなんと言ってもアラン・デュカスのレストランで研鑽を重ねたシェフ・アレッサンドロ・ガルディアーニが創るディナーがこれまで経験したことのない格別の味。
さらにそのディナーをあのシャガールの名画「魔術師」を眺めながら堪能できるんですから、もう至高の味わいです。
まさに唯一無二のホテルでした。

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December 12 2022

コロンバイン ブランドロゴ

瀬戸内市長船町でシャツ、ブラウス、スポーツウェアーを製造するコロンバイン株式会社さんのブランドロゴをデザインさせていただきました。
縫製工程から着想を得て「コロンバイン」の文字を動的にビジュアル化しました。看板やポスター、WEBへも展開しています。

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December 8 2022

歯科医院の現場

来年1月に新築移転オープンされる歯科医院さんのサイン検証。
現場はいつ来てもワクワクします!

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December 6 2022

ペナルティキック

スペイン代表の監督が「PKは運ではない」と言っていましたが、確かに運だけではないかもしれません。ただパスワーク、アシスト、シュートそしてディフェンスというサッカーの本質を踏まえた決着手段でもないような気もします。

素人の感想ですが、一部の選手に責任を課せるPKは、120分間も必死で闘った後に勝負を決める方法としてはあまりにも寂しすぎる。
野球で例えるなら延長18回闘って、最後は投手野手問わず選手全員でストライクがどれだけ入るか?みたいなことなのかな。知らんけど。

最後疲れはあると思いますが、コーナーとかセットプレーとか、サッカーの本質を残した、野球で言うとタイブレーク方式のような決着方法を導入してもらいたいと願うばかりです。

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December 1 2022

響きあう美の世界

京の西郊、若狭の国・小浜に通じる周山街道沿いの高尾(雄)、槇尾、栂尾はいわゆる三尾と呼ばれ、北山杉の産地として知られていますが、なんと言っても、川端康成の小説「古都」の舞台となった場所でも有名です。
清瀧川沿いに林立する美林・北山杉の風情と生い立ちの違う姉妹の絶妙な哀愁に引き込まれ恍惚と読みふけってしまいましたが、京の美と川端の美意識が凝縮された、小説の中で最も好きな作品の一つです。

東山魁夷が川端の文化勲章のお祝いに送った「冬の花」に描かれている北山杉も情緒があります。この画題「冬の花」は「古都」の最終章の見出しにちなんで描いたもので、物語の根幹をなすどこか物悲しく切ない言葉です。
耽読した後で見るとまた違った北山杉に見えてくるから不思議です。

文豪と画家の響きあう美の世界を。

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November 19 2022

清水寺と坂上田村麻呂

夜の清水寺。
音羽山清水寺は京都の中でも一、二を争う程の観光地と化していますが、京都では珍しい奈良仏教の法相宗(現北法相宗)派のため平安京遷都より長い1200年余の歴史を有する由緒ある古寺なのです。
清少納言、紫式部なども参籠し、王朝文学にも数多く登場、狩野永徳や岩佐又兵衛など数多くの絵師が描いてきた百点を超える数の洛中洛外図屏風には描かれなかったことがない程、清水寺は古今を通じ衆生の崇敬と親近感を集めるお寺なんですね。
ちなみに開創はあの征夷大将軍・坂上田村麻呂。とその奥さんと延鎮上人。なぜ田村麻呂なのかと言えば、今回は長くなるので割愛します。
そういえば誰かが自分の祖先が坂上田村麻呂だと言ってたな。まあどこの家庭にもありそうな話で、二十数代遡れば日本人はみな親戚ではないかと思うんですがね・・・。笑

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November 19 2022

高台寺と備中国

鷲峰山高台寿聖禅寺。

ご存知の通り、北政所ねねが秀吉の菩提を弔うために祈願し、家康が命じて創建された高台寺。
備中松山城主でもあった小堀遠州作庭の蓬莱式庭園にもだいぶ紅が彩られてきた。
開山堂には北政所の実兄である木下家定も祀られている。ちなみに家定は備中足守藩初代藩主であり、あの小早川秀秋の父でもある。
秀吉の備中高松城水攻めといい、高台寺は備中岡山とは何かと縁のある禅刹だ。

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November 13 2022

高山寺と明恵上人

京都西郊、栂尾・高山寺。

国宝・鳥獣戯画を所有していることや後に宇治茶に続く茶の発祥地で日本最古の茶園があることで有名な高山寺ですが、住職は中興の開祖・明恵上人の遺業も知ってほしいとおっしゃっていました。

19歳から約40年間夢の記録を記した「夢記」や時や事、場所によって主体的に本質を考え行動する大切さを簡短に述べた「阿留辺幾夜宇和(あるべきようわ)」などが有名な明恵上人は、鎌倉幕府三代執権・北条泰時に政治の肝要として無欲を説き、後の御成敗式目制定の思想的背景にもなりました。承久の乱では公家方未亡人に「善妙尼寺」を造って教化救済するなど同時代の道元や親鸞とは違う独自の路線で仏道を貫きました。白洲正子や河合隼雄が明恵上人を特筆するのも納得できます。

そんな明恵上人が後鳥羽上皇から学問所として賜った国宝・石水院。そこから眺める清瀧川を隔てた向山の景色はなんとも美しい。それに雨の日の小さな雨音と清瀧川のせせらぎ、さらに葉の雫のさやけさが加わると、なお美しい。

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November 12 2022

白鳥と倉敷川

くらしきアートマルシェなるもの、いとおかし。
ということで、お菓子作り体験できます。笑

倉敷アイビースクエア隣接のアイビー学館で13日まで。
ちょこっとだけ田中園子の写真で彩られてます。

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November 5 2022

牛腸茂雄

僕の事務所に一枚のポスターが貼ってある。それは十三年ほど前に手掛けた「昭和−写真の一九四五〜一九八九」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館)のポスター。それに掲載されている写真こそ、牛腸茂雄の「『日々』より」だ。

現在、渋谷PARCOの”ほぼ日曜日”で写真展「はじめての、牛腸茂雄。」が開催されている。
一見なんの変哲もなく、見過ごされてしまう写真だが、何度も見ることでじわじわ味が出てくる。そのぎりぎりのところの写真に懸けている、と牛腸はいう。

3歳で胸椎カリエスを患い、他人とは違う生き方をせざるを得なかった。牛腸はもしかしたら命の限りを知っていたのかもしれない。健常者が見過ごす情景も牛腸の中ではなんて素晴らしい特別なものになったはずだ。そして限りある命の中で自分に何ができるのかを模索したに違いない。そこに牛腸茂雄の写真が生まれた。

「自分の中の何かの可能性を信じていかないと、とてもじゃないけど、気が滅入ってしまう。
他人から見ると取り留めもない生き方をしているように思われるかもしれないけど、ない、はないなりに、それなりの何かが生まれるのではないかと、ある確信をもって感じるのです。」牛腸茂雄

写真展「はじめての、牛腸茂雄。」
渋谷PARCO8階 ほぼ日曜日で13日(日)まで開催中。

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2022.10
2022.8-9
2022.6-7
2022.4-5
2022.2-3
2022.1
2021.12
2021.11
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