October 30 2022

新選組とブランディング

新選組。

新選組をデザイン、ブランディングの観点から見てみる。

新選組。新しく選ばれし者たち。ネーミングがまずいい。
ちなみにそれまでは浪士組、誠忠浪士組、壬生浪士組と名乗っていたが、京都守護職、松平容保から「新選組」の名を賜った。しかし当の本人達は戊辰戦争においても「浪士組」を使用していた説もあるようだが、「浪士組」のままだったら、今ほどの輝きはなかったかもしれない。実際同じ京都市中警備組織「見廻組」というのもいて、新選組と同じような活躍をしていたが、ほぼ伝説にはなっていない。

次にキャッチコピーが単純明快だ。「誠」の旗の下、隊士達は一致団結して不逞浪士を取り締まった。ちなみに誠忠浪士組からの「誠」という説が強い。

最後は何といっても浅葱色で袖口に白い山形模様の入った羽織、つまりブランドシンボルとブランドカラーである。新選組と言えば浅葱色を思い起こす人も多いのではないだろうか。当初は隊員を集めるために赤穂四十七士の討ち入り時の衣装をイメージしたデザインにして目立つお洒落な制服をと考えていたようだが、気恥ずかしくなったのか、八月十八日の政変以来総員着用の目撃記録はないそうだ。その後池田屋事件で名を馳せたこともあり、わずか半年余りで羽織の使命は終わったようだ。今日現存もしていないらしい。

この3点は古式ゆかしい京の人々にかなりのインパクトを与えたことは間違いないだろう。
ただこれは新選組のファンの方から怒られそうだが、芹沢鴨の傍若無人、悪行から推察するに、実際やっていたことは恐らく今のやくざと、そう変わらないのではないかと思う。
また新選組の功績は現代の人気に見合うほど果たしてあったのか?長州藩を主とした攘夷派が御所に火を放つとか慶喜や容保を暗殺する陰謀を前もって阻止した池田屋事件は有名だが、それも新選組のでっちあげという説もなくはないようだ。

歴史は史実よりも美化される。そう考えると新選組隊士や当時の人々の間でブランドが確立されていたというより、後世の我々が新選組のブランドイメージを創り上げたと言えるのかもしれない。

『新選組展2022』11月27日まで、京都文化博物館で開催中!

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October 29 2022

「祈り」 藤原新也

ニンゲンは、犬に食われるほど自由だ。

この衝撃的な言葉と写真で有名な写真家・藤原新也の回顧展が自身の郷里・北九州市で開催されています。

メメント・モリ
メメント・ヴィータ
死を想え

生を想えいい意味で通俗的であり、そして普遍的なテーマの写真と言葉がすっと心に入ってくる、ある種痛快で気持ちの良い展覧会でした。






そして花々。

全てが奇跡だ。
地球は美の錬金術師。
(中略)
それら一億種の生物は、
こぞって地球の美の錬金に寄与してきた。
だかその一億分の一の生き物に過ぎないヒトが、
四十六億年かけて作り上げてきた
地球の美をいま壊そうとしている。
「奇跡」より

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October 28 2022

「JAGDA著作権セミナー2022」開催

日本グラフィックデザイン協会(JAGDA)創作保全委員会では「知的財産権セミナー2022」を11月5日(土)に東京ミッドタウン・カンファレンスで開催いたします。
今回の主題は「コンペティションを通して、デザイナーの権利とスペックワークの危うさを考える」です。

現在行政や企業が行っている「デザイン公募(コンペ)」では、不当な報酬をはじめ、著作権第27条、28条の翻訳・翻案権等及び二次的著作物利用の権利、そして著作者人格権を半ば強制的にデザイナーから奪う不適切な要項のコンペが横行しています。
そうした中JAGDAでは、これまで数多くコンペ審査に携わった原研哉さんやJAGDAの顧問弁護士さんなどを招いて、コンペの現状と課題や知的財産権の詳細、そしてスペックワーク(無賃労働)などの問題点を分析し、よりよいコンペ実現に向けた改善策を議論、提案致します。
創作保全委員である私もコンペの良い事例紹介として、2016年に携わった岡山県保健福祉部主催の「岡山県福祉事業所商品リブランディングコンペ」について、少しですが、お話させてもらいます。

かつて歌人でありジャーナリストでもあった与謝野晶子は大正のデモクラシーと呼ばれた時世に「女性の参政権は新たに獲得するものではなく、回復するもの」と主張しました。デザイナーの知的財産に関わる基本的な権利も、新たなに主張し獲得するものではなく、本来備えられているはずのものを正常に戻す、つまり回復させることなのです。

デザイナーだけでなく、コンペを主催する側の行政や企業の担当者にも是非、ご視聴いただきたいと思います。オンラインでもご視聴いただけます。(要申し込み)

JAGDA知的財産権セミナー2022』
日 時:2022年11月5日(土) 14:00-17:00(13:30受付開始)
会 場:東京ミッドタウン・カンファレンス Room1-3
(東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー4F)
参加費:無料
定 員:会場=100名、オンライン=100名
講 師:
■原 研哉(日本デザインセンター代表取締役社長)
■岡 邦俊(JAGDA顧問弁護士)+近藤 夏(同)
■味岡伸太郎(JAGDA創作保全委員長)
■植木誠+藤崎知子+北川裕子+田中雄一郎(JAGDA創作保全委員)

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October 10 2022

美しき備前刀

備前長船刀剣博物館。

日本刀は鉄の持つ美的な要素を最大限に引き出した芸術品と言われています。
刀剣は時代の変遷により、武器としての機能性から、美術工芸品としての美しさや文化財としての歴史的価値に重きを置かれるようになりましたが、当時名刀の所有は武士のステータスだったようです。

先日、上杉家伝来、謙信・景勝親子の愛刀、国宝「太刀 無名一文字」が里帰りしたことでより注目されるようになった長船刀剣博物館ですが、そもそも備前長船・福岡が日本最大の刀剣産地になったのはなぜか?
古今和歌集にも詠まれている「真金吹く」の枕詞の如く、砂鉄の産地である中国山地や美作から、吉井川を下る高瀬舟などで豊富な鉄資源が持ち込まれた上、山陽道、瀬戸内海航路などの流通拠点ともなった福岡の市を擁していたからのようです。

また国宝に指定されている日本刀は111振あるようですが、そのうち実に44振が備前刀です。
さらに後鳥羽上皇が定めた名工の証し「御番鍛冶」12名のうち7名が備前から選ばれています。
ちなみに備中刀の国宝5振、御番鍛冶3名を含めると岡山(吉備の国)がいかに上質な日本刀の産地であるかがわかりますね。

日本刀についてはまだまだ知らないことが多いですが、日本の代名詞ともいえる士と刀鍛冶が、用と美を競って数百年も作り続けてきた歴史に思いを馳せれば、深遠ながら日本文化のアイデンティティが鋭く凝固された見事な芸術品だと感じました。

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October 8 2022

完売御礼

おかげさまで今年のシャインマスカット、桃太郎ぶどうは完売致しました。また来年もよろしくお願い致します。野の花農園園主より。

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2022.8-9
2022.6-7
2022.4-5
2022.2-3
2022.1
2021.12
2021.11
2021.10
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