February 28 2018

才能はあってもなくても苦労する

先日とある席上でフィギュアスケートの無良崇人選手と同席でした。平昌オリンピック直後だっただけに会場全体が若干気を遣っている空気が漂っていま したが、羽生選手が出場してなかったとは言え、ハイレベルな全日本選手権で3位とは超絶凄いことですよね。日本で3位になれることなんてあるでしょうか? それでも何故か残念な感があるのは不思議なものです。もっと言えばオリンピックに出場した田中刑事選手が18位というのさえ残念なムードになっています。 世界で18位、でもです。
こういう時にいつも感じるのは、ほんとうに神様は平等に人間を作ったのだなと。多くは才能がなくて苦労するものですが、才能があるがゆえに苦労する。もし かしたら前者を凌駕する試練を与えているのかと。以前書いたコラムをコピペしますので、ちょっと長いですがよかったら読んでみてください。
ちなみに無良選手は現在岡山在住のようで、おっさんの頼みを笑顔で快く受け入れてくれる好青年でした!またこれからもがんばります!と力強くおっしゃっていましたので、僕も応援して行きたいと思います。

■コラム「才能は、なくても、あっても大変だ。」
(フリーマガジン「田中」NO.9より)

「頭がいいからいいよな!」あるいは「野球が上手いからいいな!」などという会話を耳にすることがある。確かに昔自分も誰かによく言った記憶がある。大方頭がいいから勉強が楽でいいでしょとの意だろう。果たしてそうだろうか?
確かに頭がいいのは悪いことではない。けれど頭がいい人はいい人同士の戦いがある。東大に行けるほど頭のいい奴でもそいつら同士で東大に入るためのハイレ ベルかつ壮絶な戦いがそこにあるのだ。そんなに勉強しなくても東大に入れる秀逸な頭脳の持ち主が、猛勉強して目指すと言われている日本最高峰学府・東大理 三なんてその最たるものだろう。だから決して頭がいいから楽でいいということはない。むしろ優秀が故によりハードな戦いに挑まざるを得ないのだ。
野球だってそうだ。自分みたいにセンスと実力がなければあっさりと中学までで諦められるし、周りも許してくれた。だけど優秀な奴ほど親や周囲の期待を背負い、高校、大学、社会人、プロと段階を上げて行かざるを得ない。
最近テレビで「プロ野球戦力外通告−クビを宣告された男達」という番組がある。頻繁に放送されていることから視聴率が高い番組だと推測できる。その年に在 籍していたプロ野球のチームから戦力外通告を受け、崖っぷちに立たされた選手達に密着し、その崖っぷちの中で苦悩し、再起に向け奮闘する選手とそれを支え る家族たちの姿が描き出される。確かに現状だけをみると悲運で悲劇と映るかもしれない。しかし見方を変えればそれはプロ野球に入れるほどの才能、能力が あったがゆえの普通の人が味わえない苦悩ではないか。
同年代でプロ野球に入った選手は一体何人いたのか。全国でたかが30人ほどである。小学時代で男子の5人に一人くらいは野球をしていた世代なので、20万分の30人、つまり自分を含めそこまでに達しない選手が99.985%である。
したがって才能があろうがなかろうが生きている限り、凌ぎを削らなければならない。場合によっては才能がない方が別の人生を歩み、そう言った苦労をしなくて済むこともある。
だから才能がないからと自分を僻んだり、何かを羨んだり、誰かを嫉んだんりすることは賢明ではない。
「幸せは、なるものではなく、感じるもの」という本もあるが、まさにその通りである。今置かれた状況で幸せを感じながら、よりよく生きる。これこそ究極のデザインではないだろうか?
しかしどうせ苦労するのなら、個人的にはできれば好きなことでしかもよりレベルの高いところで苦労をしたいものだが。

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February 27 2018

MdNデザイナーズファイル2018

MdNコーポレーションから発売された「デザイナーズファイル2018」に掲載されました。数年ぶりの掲載となりました。こういう類の本は往々にして広告のように料金を支払えば掲載してもらえるケースが多いのですが、このMdNデザイナーズファイルはそうではなく、毎年出版社で厳正な選考が行なわれ掲載者を決定するようです。もちろん掲載料はかかりませんし、選考基準は決して口外されることはありません。編集長の後藤さんとは以前共著「ロゴデザインの現場」でご一緒させて頂いたのですが、その後しばらくは掲載されませんでしたし、選考基準も本当に何も教えて頂けませんでした。もちろんいたって当たり前の話なのですが、忖度やコネや資金力が罷り通る世の中だけに、クオリティが本当に信頼できるデザイナーズファイルだなと感じました。
なので出版社も自信をもって「今、もっとも注目されているグラフィックデザイナー240名の仕事とプロフィールを厳選して紹介している本」と言えるのでしょう。そんな書籍に掲載されて光栄です。

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February 23 2018

グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史

昨日終了した「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」での私の選書リスト及びコメントです。

【選書リスト】
A:猪熊弦一郎『私の履歴書』(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2003)
B:高松平藏『ドイツの地方都市はなぜクリエイティブなのか−質を高めるメカニズム−』(学芸出版社、2016)
C:河北秀也のデザイン原論(新曜社、1989)
D:渡辺淳一『反常識講座』(光文社、1998)
E:川床優『漱石のデザイン論』(六耀社、2012) 

【選書コメント】
我々グラフィックデザイナーは二次元の世界に留まらず、都市を意識してデザインをしていかなければならない。人、建物、車、サイン、広告など一つひとつの小さなデザインの集積が都市を形成しているからだ。景観の美しさは都市の質を高め、クリエイティブの土壌となりやすく、求心力、郷土愛にもつながり、地方創生の一翼を担う。
猪熊弦一郎は「(絵画の)美とはひっきょうコンフュージョン(混乱)とオーダー(秩序)とのバランスだ」という。機能性と造形性、社会性と作家性、大胆さと奥ゆかしさ、そして常識と反常識。それらが互いに鬩ぎ合う中で、美術的価値と経済的価値の究極のバランスを可視化することが「デザイン」という行為であり、グラフィックデザイナーの責務でもある。そして我々の最大の存在価値なのかもしれない。ちなみに反常識とは渡辺淳一氏曰く、常識を知った上で、それにチャレンジすることのようだ。

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February 21 2018

グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史

選書で参加させてもらっている「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」は明日22日が最終日です。

「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」
会期:2018年1月23日(火)〜 2月22日(木)
時間:11:00 〜 19:00 日曜・祝日休館 入場無料
会場:クリエイションギャラリー G8
住所:東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
主催:クリエイションギャラリーG8
企画:室賀清徳、後藤哲也、アイデア編集部

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February 20 2018

東京TDC賞2018 入選

国際コンペティション・東京TDC賞2018のSmall graphics部門にフリーマガジン「田中」が入選しました。東京TDC賞2018には国内1,828作品、海外1,281作品合わせて3,019作品の応募があったようです。

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February 16 2018

田中園子 写真の仕事 Graphic Design in Japan 2018 入選

昨秋、奈義町現代美術館で開催された展覧会「田中園子 写真の仕事」のフライヤー、ポスターなどのビジュアルデザインがBNNから発売された「セットで展開するポスターとチラシのデザイン」に掲載されました。
またビジュアルデザインと写真集から会場構成までを含めたトータルデザインが、公益社団法人日本グラフィックデザイナー協会(通称JAGDA)が主催する「Graphic Design in Japan 2018」の複合部門で入選しました。
今回展覧会開催にあたり展示アドバイスなど多大なご協力を頂いたgallery A-zoneの本田和久様、ヒロミ様をはじめ、無理なお願いをことごとく引き受けてくださった美術館の岸本館長、お忙しい中設営のお手伝いをして頂いた藤原勇輝様、そしてご来館頂いた皆さまに心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

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February 15 2018

梅田 蔦屋書店

梅田蔦屋書店さんでも写真集「田中園子 写真」を販売して頂いています。合わせて一角に写真を展示させて頂いていますので、お近くにご用の際は是非!展示は4月30日まで。

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February 14 2018

トラベル

じっくり観てたら半日かかりました。まさにトラベルです。まあようはコレクション展なのですが、テーマとタイトルを付けて特別感を出し、ダイレクトにそう感じさせない広報がうまいなあと思っていますし、お客さんを引きつけるにはとても大切なことだと思います。もちろん質の高い作品ばかりです。

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February 13 2018

こべべ

お針屋和ねりさんのブランド「こべべ」のブランドマークや名刺・封筒などのビジュアルデザイン及びブランドディレクションを担当させて頂いています。
古い着物(べべ)を高さ60cm程度の立体ミニチュア(小さな)着物にリメイクすることから「こべべ」と名付けられ、和裁士であり作家の田中とし江さんと、娘さんでありディレクターを務められる田原ゆう子さんらが中心となり立ち上げられました。
「着物を着ると自然と立ち振舞いが丁寧になり、気持ちが凛とします。」と田中さんが言われるように、着物とは単なる身に纏うものではなく、着る人の心を引き締め、気持ちを前向きにさせるものという点においては、デザインの果たす役割と通じるところがあります。
ブランドマークは「こべべ」の佇まいや着物の立体的な優美さを表現するとともに、「こべべ」を通じて日本の伝統である美しく繊細な着物文化を次の世代に繋げていきたいという作家さんの想いを込めています。
あと一つ大きな意味を隠していますが、おわかりでしょうか?ヒントは作家さんと私の共通・・・。わかった方はオフレコで。笑
ホームページの制作・デザインはトライマンデザインの三宅君。https://cobebe.jp/

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February 9 2018

田中園子 写真展

2月11日(日)から梅田蔦屋書店で田中園子の写真展を開催します。今回は6点と小規模の個展となります。もちろん写真集も合わせて発売していますのでお近くにお住まいの方、ご用の方は是非!JR大阪駅北口ルクアイーレ9Fです。フライヤーのデザインを担当しています。

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February 6 2018

グラフィズム断章:もうとつのデザイン史

先週末、選書で参加させてもらっている「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」にお邪魔してきました。
日本のグラフィックデザイン史を単なる回顧ではなく、批評的に紐解いていく展覧会ははじめての試みだと思います。雑誌「アイデア」の編集長である室賀清徳さんなどの企画で、全バックナンバーも展示されています。グラフィックデザイナーの方必見です!

「グラフィズム断章:もうひとつのデザイン史」
会期:2018年1月23日(火)? 2月22日(木)
時間:11:00 ? 19:00 日曜・祝日休館 入場無料
会場:クリエイションギャラリー G8
住所:東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F
主催:クリエイションギャラリーG8
企画:室賀清徳、後藤哲也、アイデア編集部

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February 5 2018

費用対効果

先週末品川のホテルでとある作家さんと打ち合わせ。作家のブランディングについて2時間以上じっくり話し合いました。作家さんから生の声を聞くことで、机上のブランディング論と、実際現場で必要とされるブランディングは違い、ポジションや費用の問題も加味されるので、そのまま適応するのは難しいと改めて実感しました。ロゴから名刺、封筒、DM、パンフレット、ホームページなどなどお金をかければそれなりのものはできるけど、そこまではかけられない作家も多い。かけられる費用の中で最大限の効果を得られるプランをデザイナーが描いてあげることも一つのブランディングです。
しかしコーヒー一杯が1250円とは…。これもブランド価値なんでしょうね。

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February 4 2018

田中園子 写真

写真集「田中園子 写真」本日4日の山陽新聞朝刊で紹介して頂きました。ありがとうございます。代官山蔦屋書店でも好評発売中です!

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